福島市産官学連携プラットフォーム(F8)が主催する「生涯学習のつどいⅡ」が、2025年3月17日(水)桜の聖母短期大学で行われました。新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、オンライン学習の普及、ファクトチェックの重要性の高まり、そして生成AIの急速な進化など、社会情勢の大きな変化とともに、私たちの学びの形も変わり続けています。
今回のイベントでは、その技術を「学習の現場にどう活かすか」をテーマに、参加者同士でディスカッションを行いました。講師を理事の長井英之が務め、オンライン学習プラットフォームの紹介から、AIと人間それぞれの役割についてまで、多角的な視点で学びを深める機会となりました。
講義では「オンライン学習とAIの可能性」を解説
冒頭では、YouTubeやMOOC(大規模公開オンライン講座)などのオンライン学習コンテンツ、N高等学校に代表されるネット主体の学びの事例が紹介されました。受験コストを大幅に抑えながら知識を得られる無料コンテンツや、世界的な大学が提供する講義など、パンデミック以降に加速した学びの多様化を改めて確認。さらに、AIによる個別最適化や語学学習支援などの事例も示され、「人間の教師がどこに力を注ぐべきか」を考えるヒントが提示されました。
ワークショップ1:オンラインとオフラインの良さを再発見
最初のワークショップでは、「自分の学びにオンライン・オフラインをどう活かしているか」をテーマに、参加者が小グループに分かれて体験や意見を交換しました。「紙の教材の方が落ち着くが、YouTubeで分かりやすい解説を見つけると一気に理解が進むこともある」「忙しい社会人にとって、オンデマンド型の学習は非常にありがたい」など、参加者それぞれの工夫が紹介され、互いに刺激を受ける場となりました。
ワークショップ2:10年後の理想の教室を考える
後半は、「AIが変える学び」と題した講義形式で知識を深めた後、「10年後の理想の教室」を想像するワークショップへと移りました。AIと人間の教師がどのように協働すれば学びの質を高められるか、また、経済格差やICTスキル不足への懸念など、さまざまな論点について活発な議論が交わされました。特に印象的だったのは、AIに任せきりにするのではなく、人間だからこそ担える温かみや創造性が重要になるという意見が多く出たことです。
参加者アンケートより
最後に行ったアンケートでは、参加者それぞれが本イベントを通じて得た気づきや感想を共有してくださいました。
- オンライン学習とオフライン学習の比較が参考になった
「自分の生活リズムに合わせられるオンライン学習は助かるが、仲間と一緒に学ぶオフライン学習の楽しさも再認識できた」という声が多く寄せられました。どちらか一方ではなく、互いに補完し合う形が理想的だと感じたという意見もありました。 - 学習費用や受験コストへの驚き
「教育費に関するデータを初めて見たが、オンライン学習を活用することで塾に通わなくても学力をつけられる可能性を知り、希望が持てた」「無料コンテンツをもっと活用していきたい」といった前向きな感想も多数寄せられました。 - AIの活用とハルシネーションへの関心
「生成AIが出す答えが必ずしも正解とは限らない、という点が衝撃だった」「AIに任せきりにせず、出典確認や根拠を確かめることの重要性を感じた」という声が目立ちました。AIをどう上手く活用していくか、実践的な知識を求める声もありました。 - 10年後の理想の学びに向けたヒント
「人間だからこそできる温かみのある指導や、学習意欲の維持・向上が重要になる」「AIが得意な部分をAIに任せることで、教師は創造的な授業づくりに集中できるようになるのではないか」「人生100年時代と言われる今、学び直しは遅すぎるということはない、と改めて思った」など、未来への期待と課題が浮き彫りになるような意見が多く見られました。 - ディスカッションの時間拡大への要望
グループワークは大変好評で、「もっと長く意見交換をしたかった」「さまざまな立場の方の意見を聞く機会は貴重だった」という声が挙がりました。今後も産官学が連携して、このようなワークショップを増やしてほしいとの要望が強く感じられました。
弊団体では引き続き、AIが広げる新たな可能性を、これからも多くの方々と共有していきたいと考えております。